ALSについて

ALSの治療法

現在のところALSに対する根本的な治療法は皆無で、対症療法が主となっています。ALSの生存期間を延長させる薬剤として唯一リルゾールが保険適応を受け、日本においても使用されています。

リルゾールは、欧米で最初に行われた臨床試験で、ALS患者様の生存期間が延長し、筋力低下の進行速度が低下したと報告されました。しかし、その後「有意な生存期間の延長を認めなかった」、「筋力の低下速度にも変化が認められなかった」といった報告もされています。副作用としては、悪心、嘔吐、下痢、眠気、めまい、肝機能異常などが報告されています。
対症療法として以下のようなことを行います。

呼吸機能障害(息苦しい):
障害の程度により、鼻マスクを用いた簡易人工呼吸器(NIPPV)や人工呼吸器の装着を行います。NIPPVは呼吸機能を補助・温存する目的で、自覚症状の乏しい時期より行うこともあります。

嚥下機能障害(食べ物が飲み込めない):
食べ物を細かく刻んだり、水分にトロミをつけるなどの工夫をします。障害の程度によっては、鼻から胃に直接管を挿入したり、胃カメラを用い、胃に直接管を入れる手術(内視鏡的胃瘻造設術:PEG)を行い、流動食による経管栄養を行います。 また、太い血管から高カロリーの点滴を入れ栄養することもあります。その他、流涎、不安、疼痛などに対して各種薬剤が使用されます。
また、フリーラジカルスカベンジャー、メチルコバラミン大量投与、神経栄養因子IGF-1などが、次の治療薬として期待されていますが、現在のところ認可はされていません。

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